こんにちは。金属アレルギー対応のアクセサリーショップのBartlett(バートレット)です。
今回は、ネックレス・ピアス・指輪などのアクセサリー素材でよく見る『合金』や『〇〇合金』という、この「合金」についてです。合金って何だろう?どんな素材?金属アレルギーでも使えるの?という疑問を解消するため、「合金」のアクセサリーについてまとめたいと思います。
アクセサリーの合金とは?
それではアクセサリーの合金について詳しく見ていきましょう。
貴金属と卑金属
金属には、貴金属と卑金属という分類があります。それぞれの定義は、以下になります。
- 貴金属=金属のうち化合物をつくりにくく希少性のある金属の総称
- 卑金属=貴金属の対義語。空気中に放置するときに酸化しやすく、水分や二酸化炭素などによって容易に侵食される金属のこと
貴金属には、金(ゴールド)・銀(シルバー)・白金(プラチナ)などがあります。卑金属には、ニッケル・鉄・アルミニウム・すず・亜鉛・銅(カッパ―)などがあります。金銀銅のメダルのうち、銅だけが卑金属なんです。
アクセサリーで見かける「素材:合金」とは、この卑金属もしくは貴金属を、複数まぜて合金化したもののことです。これは、まぜる方がアクセサリーの耐久力が増したり加工しやすくなるからです。
アクセサリーの「合金」には色々ある
補足ですが、アクセサリーにはただの「合金」以外にも、色々な合金があります。一例を下に書き出してみます。
- 亜鉛合金
- 真鍮
- ステンレス
- チタン合金
- ピンクゴールド
亜鉛合金
亜鉛合金 = 亜鉛+アルミニウムなどの合金
亜鉛は、融点が低く(溶けやすく)て衝撃に強く、エンジンの部品や屋根の合金などにも多く使われています。加工のしやすさからアクセサリーでも見かけやすいです。しかし、亜鉛は金属アレルギーを引き起こしやすいため、金属アレルギーの方にはオススメしません。
真鍮
真鍮 = 銅+亜鉛の合金
真鍮は、硬さ具合が貴金属と同じくらいあって加工がしやすいため、おしゃれなアクセサリーによく使われていますし、革小物の金属でも見かけやすいです。こちらにも亜鉛が使われているため、金属アレルギーの方が身に着けるのは難しいと思います。
参考:真鍮(ブラス)とは?金属アレルギーでも真鍮(ブラス)は身に着けられる?
ステンレス
ステンレス = ニッケル+クロム+鉄などの合金
ステンレスもアクセサリーでは見かけやすいですが、真鍮ほど柔軟な金属ではないので、デザインには限りがあります。ニッケルやクロムが金属アレルギーに反応しますが、サージカルステンレス(医療用ステンレス)という、金属アレルギーの方でも大丈夫なステンレスもあります。
参考:サージカルステンレスってなに?本当に金属アレルギーでも大丈夫なの?
チタン合金
チタン = チタン+アルミニウムなどの合金
チタンの持っている耐腐食性をアップさせるため、短所を補うために合金化されアクセサリーに使われていることがあります。チタンは金属アレルギーが起こりにくい貴金属ですが、アルミニウムが金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
ピンクゴールド
ピンクゴールドも金(ゴールド)と銅(カッパ―)を混ぜて作られている合金になります。金(ゴールド)は金属アレルギーを引き起こしにくいため、金属アレルギーの方でも身に着けることが出来ます。銅の割合をしっかりと確認しておきましょう。
上記以外にも、一見「合金」と書かれてはいない金属も、実は合金だったりします。
ですがここでは
- 金属が書かれてすらいないもの
- 素材:合金
についてのメリットとデメリットを説明します。
合金アクセサリーを選ぶメリット
「合金」は卑金属を複数まぜて作られていると説明しましたが、そんな合金アクセサリーを選ぶメリットとはなんでしょうか。
硬くて曲がりにくい
とくに貴金属は、純製であればあるほど柔らかくて曲がりやすい性質があります。これは卑金属でも同じ特徴のものがありますが、それらを合金にすることで硬さや丈夫さをアップしているため、合金アクセサリーはよっぽど力を加えなければ曲がりません。
とにかく安価で購入できる
一番のメリットはここに尽きると思います。「素材:合金」しか記載のないアクセサリーは、ブランド商品でない限り、高くても販売価格5,000円以内でしか見かけたことがないのではないでしょうか?
これは、卑金属類が安価な金属だからです。たとえば、貴金属である金(ゴールド)の地金価格は、約10,000円/g。それに対して、卑金属で使われやすいニッケルの地金価格は、約3.1円/gです。(2023年4月現在)
貴金属と卑金属の価格には、これだけ地金に雲泥の差があるので、加工・デザインその他コストを足したとしても、合金なら安価に商品を提供できるのです。
合金アクセサリーを選ぶデメリット
そんな、安価で丈夫な合金ですが、もしもあなたがアクセサリーを数回使ったら捨てるような消耗品としてではなく、長く大切に使っていきたい、と考えるなら。もしくは金属アレルギーなら。ぜひデメリットを知って、選びなおしてほしいと思います。
変色しやすい・錆びやすい
合金は、卑金属を複数まぜて作られるということですが、卑金属とは空気中に放置するときに酸化しやすく、水分や二酸化炭素などによって容易に侵食される金属のことです。つまりそれは、変色しやすく錆びやすいということです。
錆びてしまうと元の状態に戻すのは難しく、また、強度も保つことが出来ません。長く大切に使っていきたい場合は向かない金属です。
金属アレルギーになりやすい
卑金属は
酸化しやすい=イオン化しやすい
ということですが、金属アレルギーとは金属がイオン化して皮膚のたんぱく質と合体することで起こります。そのため合金は、金属アレルギーが起きやすいということです。
金属アレルギーをお持ちの方は「〇〇合金」アクセサリーもすべて、残念ながら金属アレルギーが発症します。どれだけ可愛かろうと関係ありません。卑金属で頑張って使用できるとするならば銅だけです。それも少量でなければ難しいでしょう。
合金で金属アレルギーになってしまった、という方に、私はサージカルステンレス製のアクセサリーをオススメします。
まとめ
このように合金アクセサリーには、丈夫で安価なメリットの反面、錆びやすく金属アレルギーが起きやすいデメリットがあります。何に重点をおくかは人それぞれですが、いろいろ知ってくると、何となく見ていたアクセサリーも視点が増えて面白いと感じませんか。
もし、アクセサリーを長く、大切に使いたいと考えるなら、貴金属(金・銀・プラチナ)でできたアクセサリーから選ぶことを強くオススメします。もちろん合金に比べれば販売価格は上がりますが、5,000円前後から試せる貴金属アクセサリーはありますし、使えば使うほど、合金との違いはハッキリ実感してきます。
当店では金属アレルギーさん向けに商品をセレクトしているので、とくに金属アレルギーの方はのぞいてみて下さい。
金属アレルギーなのに合金アクセサリーを選んでしまった・検討中だったという方は、もう一度この記事を読み返して、ご自身のアレルギーにきちんと対応できる金属を探し直してみてください。
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