アクセサリーに使用される金属にはニッケルや亜鉛など様々な種類があります。また、金や銀と言っても金には24K、22K、18K、14K、10Kがあり、銀にもシルバー925やシルバー950があります。
当然ながら純金(24K)や純銀以外は他の金属が混ぜられており、それぞれ純度(全体に対する金の割合)が異なります。純度が違えば、当然、価格にも違いがありますが、それ以外にも異なる点が「硬さ」です。今回は、アクセサリーに使用される金属の硬さや特徴についてお伝えします。
アクセサリーに合金が使われる理由
アクセサリーはどうして純金や純銀を使わないのでしょうか。それは硬度の問題です。
金や銀、プラチナなどの貴金属は柔らかい素材ですので、アクセサリーなどに加工がしやすいというメリットがある反面、そのままの状態では十分な強度がなく、着用中に変形してしまう可能性があります。
そのため、他の金属と混ぜ合わせて合金とし、耐久性を備えさせ傷つきにくくして、そうしたデメリットを減らしているのです。他の金属と混ぜ合わせる際の、他の金属のことを「地金(じがね)」に対し「割金(わりがね)」と言います。割金は金属に強度を上げる以外に、金属の色を変える目的にも使用されます。
金を例にとってみます。イエローゴールドもピンクゴールドも18Kに銀と銅を混ぜて合金としているのですが、ピンクゴールドの方が銅の割合が増えており、黄色からピンク色へと変貌しているのです。
ビッカース硬さ試験法とは
「ビッカース(マイクロビッカース)硬さ試験法」という試験方法があります。
1924年に、イギリスのビッカース社のスミス氏とサンドランド氏によって開発された、金属の硬さを調べる尺度のことです。ビッカース試験は、ダイヤモンドでできた角錐形圧子を試験片に押し付け、できた圧痕を顕微鏡で観察し対角線の長さ(表面積)を測定して硬さを求めます。「Hv(Vickers hardness)」という単位で表します。
他にもロックウェル硬さ試験やブリネル硬さ試験、ヌープ硬さ試験やショア硬さ試験など、硬さを調べる試験方法は複数ありますが、今回はビッカース硬さ試験法を取り上げたいと思います。複数の試験方法があるのは規格が異なるからだと認識しています。
アクセサリー用金属の硬度ランキング
純度が高い金属は、合金にすることで硬さや強度が増しますが、その割金の種類や割合によって強度が大きく異なります。以下のランキングは目安ですが、やはり上位を占めているのは合金ばかりです。
ただし、合金は複数の金属が使われる性質上、金属アレルギーを引き起こしやすくなってしまいます。しっかりと合金に何が使われているのかを把握して購入することにしましょう。
金属名 | 硬度 |
---|---|
チタン合金 | 110Hv〜280Hv |
サージカルステンレス(SUS316L) | 180Hv〜230Hv |
18K(ピンク、ホワイト、イエロー) | 120Hv〜150Hv |
純チタン | 110Hv |
スターリングシルバー | 100Hv〜150Hv |
シルバー925 | 70Hv~150Hv |
プラチナ850 | 70Hv~200Hv |
プラチナ900 | 60Hv〜130Hv |
純プラチナ | 50Hv |
純銀 | 25Hv |
純金 | 22Hv |
コメント