こんにちは。金属アレルギー対応のアクセサリーショップのBartlett(バートレット)です。お客さまから良くこんな言葉を耳にします。金属アレルギーでも大丈夫と書いてあったアクセサリーなのに、赤く腫れて痒くなっちゃったと。
皆さんもこういう経験はあると思います。そこで、この記事では金属アレルギーの方が失敗しないためのアクセサリーの注意点や、金属アレルギーを予防するためのアクセサリー選びについてお話ししようと思います。
金属アレルギーの原因と仕組み
まず、金属アレルギーはどのようにして発症するのでしょうか。そのメカニズムを簡単に説明したいと思います。
金属アレルギーは人の汗や皮脂によって溶け出した金属イオンが皮膚のたんぱく質と結合してアレルゲンを生成、蓄積します。それが許容量を超えたら発症してしまいます。
では、どのような金属が金属アレルギーを引き起こしやすいのでしょうか。金属アレルギーが完治することはあるの?発症の原因と予防、対策方法まとめでも金属アレルギーを引き起こしやすい金属に触れましたが、おさらいしましょう。
金属アレルギーを引き起こしやすい金属 BEST10
- ニッケル
- コバルト
- スズ
- 水銀
- 亜鉛
- パラジウム
- クロム
- 鉄
- アルミニウム
- 銅
以上の10種類の金属が金属アレルギーを引き起こしやすい金属になります。上から引き起こしやすい順だと思ってください。つまり、汗や皮脂で溶け出しやすい金属かどうかの順番で並んでいるということです。一つずつ詳しくみていきましょう。
ニッケル
ニッケルは非常に金属アレルギーを引き起こしやすい金属となっています。
ニッケルは食品にも含まれており、ココアやチョコレート、ナッツ類や牡蛎などにも含まれているので注意が必要です。
【ニッケルが含まれている代表例】
・硬貨(50円玉、100円玉、500円玉)
・チョコレート、カカオ
コバルト
コバルトは非常に硬度が高い金属となっています。そのため、工具などに用いられることが多い金属です。
【コバルトが含まれている代表例】
・超硬工具
スズ
スズは非常に身近な金属です。硬貨やブリキなどにも使用されています。工芸品や食器などにも使用されています。また、青銅は銅とスズの合金になりますので、注意が必要です。
【スズが含まれている代表例】
・硬貨(10円玉、5円玉)
・青銅
・ブリキ
・スズ製の食器、工芸品
水銀
水銀は金属アレルギーよりもむしろ水銀中毒を起こす有毒物として扱われるため、今では日常に触れるものに用いられることは、ほとんどありません。
【水銀が含まれている代表例】
・水銀の温度計
・体温計
亜鉛
亜鉛も金属アレルギーを発症させる金属の一つです。食品にも多く含まれているため、金属アレルギーになった場合、亜鉛を含む食品やサプリメントは医師の指示に従った方が良いと思われます。
【亜鉛が含まれている代表例】
・真鍮
・黄銅製品(五円玉、真鍮のアクセサリーなど)
・亜鉛めっき
・トタン板(トタンは鉄に亜鉛めっきを掛けた素材)
・アルミ製品
パラジウム
プラチナ900と表記される宝飾用プラチナは、プラチナとパラジウムの合金です。歯科用金属でも用いられます。保険治療で用いられるいわゆる「銀歯」はパラジウムと銀と金と銅の合金になるので気を付けましょう。
【パラジウムが含まれている代表例】
・ホワイトゴールドの宝飾品
・プラチナの宝飾品(プラチナの宝飾品には大抵パラジウムが含まれます)
・歯科用金属(銀歯)
クロム
クロムには、6価クロムと3価クロムというイオン価の違う2種類があり、6価クロムのほうがより毒性が強いとされていますが、いずれも避けたほうが賢明です。
【クロムが含まれている代表例】
・ステンレス製品(スプーンなどの食器、ベルトのバックル、腕時計、ギターの弦など、サージカルステンレスにもクロムは含まれます。)
・クロムメッキ(メガネのフレーム、ベルトのバックル、ボタンなど)
・革製品(クロムでなめして製造します)
鉄
鉄は挙げるまでもないほど、日常にありふれています。避けるのは難しいとは思いますが、手袋をはめるなどをして、自衛に努めましょう。また、ステンレスも鉄を多く含む合金です。
【鉄が含まれている代表例】
・釘
・工具
・鉄棒
・手すりやノブ
・キーホルダー
アルミニウム
アルミニウムも挙げるまでもないほど、日常にありふれています。発症する確率は低いのですが、覚えておいて損はありません。
【アルミニウムが含まれている代表例】
・アルミ缶
・一円玉
・アルミサッシ
・ジュラルミン(ジュラルミンはアルミと銅の合金の総称です)
・64チタン(6%アルミ4%バナジウムを添加したチタン合金)
銅
銅も沢山のアクセサリーに使われています。前述した金属ほどではないですが、過敏な方だと銅でも発症してしまう場合があります。十円玉は日常的に使用していますので、それが大丈夫ならば大丈夫だと思います。
【銅が含まれている代表例】
・十円玉
・銅メダル
・金(ゴールド)や銀(シルバー)の合金
以上が気を付けたい金属になります。代表的な使用方法も一緒に羅列してみました。聞き馴染みのない金属が多いかもしれませんが、意外と身近な場所で使われている金属でしたね。
金属アレルギーの方が避けるべき金属
ここまでは金属について紹介しましたが、ネットショップや店頭のアクセサリーに各金属の名称が掛かれていることはまずありません。そこで、ここではご紹介した金属を含んでいるため、避けるべきアクセサリーを紹介します。
合金
合金とは金属と金属を合わせた金属のことを指します。どの金属が何パーセント含有されているか詳細に記載があれば良いのですが、大抵はありません。合金としか記載されていない場合は避けた方が良いでしょう。
合金としか書いていない場合、ニッケルやアルミニウムを含んでいると考えて差し支えありません。
ニッケルフリー、ニッケルオフ、ノンニッケル
このニッケルにまつわる単語に関してはニッケルフリーだったら金属アレルギーは発症しないのかを優しく解説とノンニッケルはニッケルフリーとは違うのかを丁寧に解説で説明してします。
要約すると現代の日本ではニッケルフリー、ニッケルオフ、ノンニッケルという言葉はニッケルを含んでいないという意味ではなく、ニッケルの含有量が少ないというニュアンスで使用されています。
また、ニッケルの含有量がどの程度少ないのかもメーカーや製造業者によって千差万別のため、ニッケルフリーやニッケルオフという言葉に惑わされないようにしましょう。金属アレルギーをお持ちなのであれば、ニッケルは絶対に避けましょう。
〇〇ポスト
ピアスでよく見かけるチタンポストや樹脂ポストなどの〇〇ポスト。一見するとお値段は手ごろで金属アレルギーに配慮してあるとお思い勝ちなのですが、ポスト部分しか金属アレルギー対応していないのは、金属アレルギー対応とは言えません。
結局は本体の部分が身体と接触し、炎症を起こしてしまうからです。「ポストは対応しています」と記載があるということは、裏を返せばポスト以外は対応していないということになります。
そのため、ポストだけが金属アレルギー対応してあるピアスは避けた方が良いでしょう。
金属アレルギーの方でも身に着けられる金属
では、逆に金属アレルギーの方でも身に着けられる金属とは、どのような金属でしょうか。以下に例を挙げてみます。
- 金(ゴールド)
- 銀(シルバー)
- 白金(プラチナ)
- 純チタン
- タンタル
- サージカルステンレス(SUS316L)
見事に高価な貴金属が並んでいます。ここまでくると、高価だから金属アレルギーにならないのではないかと思えてくるほどです。高価な指輪や腕時計で金属アレルギーが起こりにくい理由は、金属アレルギーになりにくい金属を使用しているからなんです。
高価な腕時計や指輪などのアクセサリーは、金・銀・プラチナ・純チタンなど金属アレルギーになりにくい金属でできていることが多いのです。ただし、高い=金属アレルギーにはならないという訳ではありません。必ずメーカーやブランドに使用されている素材の確認を取りましょう。
金属アレルギーの方におすすめの金属
私がオススメしたいのはサージカルステンレス(SUS316L)です。サージカルステンレスは医療用のステンレスで錆びにくく丈夫です。お値段も貴金属ほど高くなく、手ごろな値段で購入できます。
サージカルステンレス(SUS316L)についてはサージカルステンレスってなに?本当に金属アレルギーでも大丈夫なの?に記載がありますので、よろしければ目を通してみてください。
まとめ
金属アレルギーの方向けアクセサリーの選び方を説明してきました。使用されていても良い金属、駄目な金属は理解できたでしょうか。金属アレルギーになりませんという言葉を鵜呑みに信用するのではなく、自分で判断することが大事です。
金属アレルギーに悩まされることなく、楽しいアクセサリーライフを送りましょうね。
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